未来へ向けて

同窓会本部では、次の2つの事業をメインに同窓会活動を行っています。
一つは、8月の総会を通じて同窓生の親睦、絆を深めることです。
そのため、当番期の皆さんには、総会参加のチケットでもある応援券の販売、総会当日に配布する同窓会誌の発刊、総会の円滑な進行などに取り組んでいただいております。その結果、総会・懇親会には、毎年、多くの同窓生の皆さんに参加していただいています。
二つ目は、母校の学校活動・部活動への支援です。
これまた、当番期の皆さんが、毎年、創意工夫された応援グッズの販売、同窓会誌への広告掲載の依頼などに努められ、その収入財源を活用し、母校の学校活動・部活動への支援のため多額の寄付を行うことができていますし、同窓会事務局の維持も図られています。
今年の同窓会総会の当番期は、99期、114期、123期の皆さんですが、同窓会活動は、当番期の皆さんの献身的な努力と同窓生の皆さんの協力によって成り立っているのです。
このような特色ある同窓会活動は、長年にわたる諸先輩の努力によって積み上げられてきたものであり、今後も継続発展させなければなりません。皆さんの力強いご支援をよろしくお願いいたします。
さて、大阪・関西万博が4月13日に開幕しましたが、私が知事時代、2001年に開催した「山口きらら博」の総合プロデューサー(東京大学名誉教授)故木村尚三郎先生のことをなつかしく思い起こしました。
一つは、私が今も大切にしている「振り返れば未来」という言葉をいただいたことです。「山口県の魅力、歴史、資源を振り返ることによって、未来に向かう新しいエネルギーを創り出していこう」という意味です。創立150周年の記念モニュメント(Locus of Time ―150-)を和名で「振り返れば未来」としたのも、「山高時代を振り返り、熱球魂を思い起して、未来に向かうエネルギーを創り出してほしい」という願いを込めたからです。
同窓生の皆さんには、ぜひこの記念モニュメントをご覧になり、思い起こし、大いに飛躍していただきたいと願っています。
もう一つは、新世紀の幕開けにふさわしいテーマは「いのち」であるとのご提言をいただき、山口きらら博のテーマを「いのち燦めく未来へ」にしたことです。大阪・関西万博のテーマも「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、木村先生の先見性に心から敬意を表する次第です。
また、創立150周年で思い起こすのは、熊野英生氏(92期)の記念講演「未来志向のつくり方」の中で触れられたスタンフォード大学のクランボルツ教授の「計画的偶発性理論」です。この理論は、平たく言えば、「キャリアの8割は、偶発的な出会いによって決定される。出会いを計画的に増やしていくことが大切である」ということです。
私の人生を振り返っても、予期しない出来事や偶然の出会いの連続であり、それを大切にしながら、その時々の状況の中で立てた「目標」の達成に努力してきた、その積み重ねであったと思いますし、同窓会総会等も極めて重要な出会いの場でした。同窓会総会・懇親会にぜひ参加してみてください。
以上、「未来」をキーワードにご挨拶申し上げましたが、今、ご承知のとおり、国際的にも国内的にも不安定な、不安な時代を迎えております。このような時だからこそ、我々同窓生は、新たな未来へ向けて、直面する諸課題に立ち向かい、乗り越えていかなければなりません。共に頑張りましょう。
最後にお願いです。
山口高校は、1999年の卒業生で女子の割合が初めて40%を超え、2030年前半には当番期の半数近くを女性が占めることになります。
したがって、同窓会活動もこれまで以上に性別を超えた交流を視野に入れて行うことが必要です。女性や若い皆さんが参加しやすい同窓会になるよう努力していきたいと思いますので、同窓会ホームページ等を通じ、ぜひ積極的なご意見をお願いいたします。
山口高等学校同窓会 会長
二井関成(普通科67期)
二井関成(普通科67期)